社労士試験を勉強していると、こんな疑問にぶつかることがあります。
「休業補償給付って、働けないときに支給されるお金なのに、賃金じゃないってどういうこと?」
たしかに、休業している人にお金が支給されるなら“賃金”っぽく感じますよね。
でも、労災保険法上の休業補償給付は“賃金ではありません”。
この記事では、その理由と意味をやさしく解説します。
✅ そもそも休業補償給付って何?
休業補償給付とは、
労働者が「業務上のケガや病気」で療養のため働けず、かつ賃金を受けられない状態にあるとき、
労災保険から支給される公的な保険給付です。
▷ 支給される条件
- 業務上の傷病で療養中
- 労務不能(仕事できない状態)
- 賃金を受けていない
この3条件をすべて満たすと、休業4日目から支給が始まります。
✅ なぜ「賃金じゃない」のか?
項目 | 賃金(休業手当) | 保険給付(休業補償給付) |
---|---|---|
根拠法 | 労働基準法 | 労働者災害補償保険法 |
支払う相手 | 会社(使用者) | 国(労災保険=政府) |
性質 | 労働契約にもとづく対価 | 社会保険としての補償 |
所得税 | 課税対象 | 非課税 ✅ |
休業補償給付は、国が補償目的で支払う保険金のようなもの。
だから、「賃金」ではないんです。
✅ じゃあ、賃金じゃないと何が違うの?
一番わかりやすい違いがこちら👇
📌 休日にも支給される
通常、賃金は「働くことに対する対価」なので、休日は支払われません。
でも休業補償給付は、“働けない状態に対する補償”なので、
休日であっても働けないなら支給対象になるのです。
✅ 労基法の休業手当と比較すると…
比較項目 | 労基法の休業手当 | 労災の休業補償給付 |
---|---|---|
支払主体 | 会社 | 国(労災保険) |
対象 | 使用者都合で働けないとき | 労災で働けないとき |
支給率 | 賃金の60% | 賃金の60%+特別支給20% |
休日の支払い | ❌ なし | ✅ あり |
所得税 | ✅ 課税 | ❌ 非課税 |
✅ 社労士試験でよくあるひっかけ
❌「休業補償給付は賃金である」→ 不正解!
✅「休業補償給付は休日でも支給される」→ 正解!
これ、選択式でも択一でもよく出ます。
違いを理解していれば、落ち着いて正解できます!
✅ まとめ
- 休業補償給付は“賃金ではなく、保険給付”
- 賃金ではないから、休日も支給対象になるし、非課税
- 労基法の休業手当とは支払い主体も目的も異なる
📘この記事が、「賃金と保険給付の違いってなんとなくモヤモヤしてた…」という方の助けになれば嬉しいです!
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