在留資格変更許可申請は、日本で在留する外国人が現在の在留資格から別の資格に変更するために必要な手続きです。本記事では、在留資格変更許可申請の意義、要件、手続き方法、効力発生時期、また事例ごとの注意点について解説します。
1. 在留資格変更許可制度の意義
基本概念
在留資格変更許可制度は、外国人が現在の在留資格に基づく活動から異なる活動に移行するための仕組みです。例えば、以下の場合に適用されます:
- 「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更。
- 「短期滞在」から「特定技能」への変更(ただし、特別な事情が必要)。
制度の制限
「短期滞在」の在留資格を持つ外国人が他の資格へ変更する場合、やむを得ない特別な事情がなければ許可されません(法第20条第3項)。
2. 在留資格変更許可の要件
法務大臣が在留資格変更を許可するには、以下の要件を満たす必要があります:
- 適切な理由
申請内容が新しい在留資格に適合し、適当と認められること。 - 必要な文書の提出
申請者は、在留資格変更が必要であることを裏付ける資料を提出する必要があります。
例:
- 雇用契約書(就労資格への変更の場合)。
- 養育証明書(家族滞在資格への変更の場合)。
3. 在留資格変更許可処分の効力発生時期
許可処分が下りた際、その効力は以下のタイミングで発生します:
- 中長期在留者
新たな在留カードが交付された時点。 - 旅券所持者
旅券に新たな在留資格および期間が記載された時点。 - 旅券未所持者
新たな在留資格証明書が交付された時点。
4. 在留資格変更許可申請に基づく特例期間
申請中の在留継続
在留資格変更許可申請が受理され、処分が下りるまでに現在の在留期間が満了する場合、以下の特例が適用されます:
- 処分が下りるまで、または在留期間満了日から2か月後のいずれか早い日まで在留資格が継続されます(法第20条第6項)。
ただし、在留期間が30日以下の場合、この特例は適用されません。
5. 事例ごとの検討
事例1:資格外活動許可を受けた留学生が在留資格変更を申請する場合
質問1:変更後の在留資格で就業を開始できるのはいつか?
→ 許可処分が下り、新しい在留資格が発効した時点から可能です。
質問2:アルバイトはいつまで可能か?
→ 資格外活動許可は、変更後の在留資格が発効するまで有効です。許可を受けた条件内でアルバイトを続けることができます。
事例2:出国準備期間中の在留資格変更許可申請
- 出国準備期間(特定活動30日)を付与されている場合:
在留資格変更許可申請は可能です。ただし、特別な事情を説明する必要があります。 - 特定活動31日を付与されている場合:
同様に申請可能ですが、許可が下りるかどうかは法務大臣の裁量によります。 - 長期間の滞在資格がある場合:
特例措置が適用され、処分が下りるまで在留が継続されます。
6. 申請手続きの流れ
- 申請準備
必要書類を収集し、申請書を作成します。 - 申請受付
地方出入国在留管理局で手続きします。 - 審査
提出資料をもとに法務大臣が審査します。 - 結果通知
許可の場合は、新しい在留カードまたは旅券への記載が行われます。
7. まとめ
在留資格変更許可申請は、外国人が日本での活動内容を変更するための重要な制度です。適切な理由と十分な資料を準備し、正確な申請を行うことが求められます。
行政書士など専門家に相談することで、手続きのスムーズな進行が期待できます。在留資格の変更が必要な場合、早めに準備を進めることをお勧めします。
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