重度障害者等包括支援は、特に重度の障害を持つ方々に対し、生活全般にわたる包括的な支援を提供する、非常に重要なサービスです。この制度を深く理解し、質の高いサービスを提供することで、地域社会に貢献できます。
重度障害者等包括支援とは?
重度障害者等包括支援とは、常時介護を必要とし、意思疎通が著しく困難な重度障害のある方に対し、居宅介護、重度訪問介護、生活介護、短期入所など、複数のサービスを包括的に提供するものです。
単一のサービスでは対応が難しい、複雑なニーズを持つ方々に対し、切れ目のない、質の高い支援を提供することを目指します。
重度障害者等包括支援の対象者
重度障害者等包括支援の対象となるのは、以下のすべての要件を満たす方です。
- 障害支援区分が区分6 であること(障害児の場合は、区分6に相当する支援の度合い)
- 意思疎通を図ることに著しい困難があること
- 次のいずれかに該当すること
- 重度訪問介護の対象であって、四肢全てに麻痺等があり、寝たきり状態にある障害者のうち、人工呼吸器による呼吸管理を行っている身体障害者、または最重度の知的障害者。
- 障害支援区分の認定調査項目のうち、構造関連項目(12項目)の合計点数が10点以上であるもの。
上記のように、非常に限定的な対象者であることを理解しておく必要があります。
重度障害者等包括支援の人員基準
重度障害者等包括支援を提供する事業所には、以下の人員基準が定められています。
- 従業者:障害福祉サービス事業者または指定障害者支援施設の基準を満たしていること。
- サービス提供責任者:以下の2つの要件を満たすこと。
- 相談支援専門員であること
- 重度障害者等包括支援の対象者に対する入浴、排泄、食事等の介護、その他これに準ずる業務に3年以上従事した経験を有すること。
- サービス提供責任者のうち、1人以上は常勤であること。
- 管理者:常勤でかつ、原則として管理業務に従事すること。(管理業務に支障がない場合は、他の職務との兼務も可能)
上記のように、専門性と経験のある人材の確保が求められます。
重度障害者等包括支援の設備基準
重度障害者等包括支援を提供する事業所には、以下の設備基準が定められています。
- 事務室:事業の運営を行うために必要な面積を有する専用の事務室。
- 受付等:利用申し込みの受付や相談等に対応するための適切なスペース。
- 設備備品等:必要な設備及び備品等を確保し、特に手指を消毒するための設備等、感染症予防に必要な設備等に配慮すること。
上記のように、利用者の安全と衛生に配慮した設備が必要です。
重度障害者等包括支援の基本方針
重度障害者等包括支援を提供するにあたり、以下の基本方針を理解しておく必要があります。
- 利用者の身体、その他の状況、置かれている環境に応じて、障害福祉サービスを包括的に提供すること。
- 利用者一人ひとりのニーズに合わせた、オーダーメイドの支援を提供すること。
- 生活全般にわたる援助を、適切かつ効果的に行うこと。
まとめ
重度障害者等包括支援は、重度の障害を持つ方が地域で安心して生活を送るために、非常に重要なサービスです。事業所を運営する上で、専門性のある人材の確保、安全・衛生に配慮した設備の準備、そして、利用者一人ひとりのニーズに合わせた支援計画の作成が重要となります。
今後の展望
重度障害者等包括支援は、今後もニーズが高まることが予想されます。地域社会における重度障害のある方の生活を支えるために、質の高いサービスを提供していきましょう。
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